
不育症
不育症
妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。一般的には、原因の如何にかかわらず流産を2回繰り返すと不育症といいます。
ここでいう流産とは、超音波検査などで胎嚢が確認された後の流産を指します。妊娠反応は出たが超音波検査で胎嚢が確認されずに月経様の出血が来て妊娠が終了するものを生化学的妊娠(俗に化学流産などといわれます)といいますが、日本産科婦人科学会の定義では生化学的妊娠を流産回数に数えないことになっています。したがって、生化学的妊娠を繰り返しても不育症とはいいません。
様々なリスク因子がありますが、主なものは、①血液凝固異常、②子宮形態異常、③夫婦の染色体異常、④胎児染色体異常、⑤内分泌異常です。
これらの因子があっても、100%流産するわけではありませんので、この因子を有していると流産するリスクが高いという意味で『リスク因子』と呼んでいます。
血液中の凝固因子(血液を固めて血を止める働き)に異常があると、血栓が作られやすくなり、流産や死産を繰り返すことがあります。
凝固因子異常の疾患として、抗リン脂質抗体症候群、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症などがあります。
子宮の形によっては、受精卵の着床の障害になったり、胎児や胎盤を圧迫して、流・早産になることがあります。異常に先天的なものと子宮粘膜下筋腫のように後天的なものがあります。
甲状腺機能亢進、甲状腺機能低下、糖尿病などにかかっている場合、流産のリスクが高まります。妊娠前から妊娠中にかけて、良好な状態を保つことが重要になります。
夫婦どちらかに均衡型転座(ある染色体がお互いに入れ替わっているが、遺伝子に過不足がない状態)などがあると、夫婦ともに健康ですが、卵や精子ができる際に、染色体に過不足が生じることがあり、流産の原因となります。
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